熊戻渓谷の遡行
秘境源流釣行
沢登りでピークを目指す人が見向きもしないような渓流
魚釣りの人がおいそれと立ち入れないような渓流
そんな人知れずイワナが育つような秘境の川を目指す釣り。
山岳ガイドだからこそ行くことができる源流へ
2013年~2014年 二つの渓に訪れました。
2013年 初めて仲間と目指した秘境釣行は狩場山系 熊戻渓谷
その名の通りクマも引き返すほどの深い渓谷。
林道の上から眺めるに、50~100mはあろうかという谷底にとうとうと流れる大岩転がる渓流。
釣りに降りようにも10kmほどの区間に下りられる場所はほんの数箇所。
やっと降りたと思っても、その上流下流は滝やゴルジュ(両側に壁がせり出しまったく川原のない場所)に阻まれ歩行は不可。
ウェーダーを履いて通過できないのなら、沢登りの装備とロープ、ライフジャケットを持って、
泳ぎ下り、懸垂下降をして通過してしまえばいいじゃないかと。
進入不可区間を踏破したのだった。
入渓前夜 狩場山休憩小屋に宿を借り、日の上るころにまず、さっそくロープにつかまり谷底へ。
その先は大岩をずり落ち、リュックを浮き袋代わりに淵を流れ、仲間と肩を組み川を渡る。
このような遡行で最も気をつけなければならないことは、鉄砲水だ。
大きな川ではないからこそ、周りを渓谷に囲まれているからこそ、水源となる山に降った雨がみんな川に流れ込むと、いっきに水位が上昇してしまう。
そのようなときに逃げ場のない渓流では事故は免れず、沢登り中の悲劇は後を絶たない。
源流釣行では常に避難場所、脱渓場所を探し、地形図での現地把握を怠らず、何より天気の変化に敏感にならなくてはならない。
だからこそ前人未到の地で出会う渓魚の美しさにはよりいっそうの愛おしさを覚えるのだ。
ちなみにこの狩場山系、ブドウにコクワ、キノコなど秋の恵みにも富み、夏のみならず秋の狩りにも楽しい場所。
イワナに木の実に、知り合いの猟師にもらった鹿肉を持って山小屋に篭るとまるで越冬前のヒグマの気分。
野遊びガイドではこんな冒険釣行も山菜トレッキングもガイドさせていただいております。
まだ見ぬ秘境の地へ訪れたい、という方はぜひぜひお問合せください。